


皆さん、空売り(ショート)と聞いて何を思い浮かべますか?
「下落相場でも儲けられる魔法の杖?」
「損失が青天井の危険なゲーム?」
「市場の悪役が使う禁断の手法?」
本屋に行けば「空売り攻略法」と「空売りは絶対禁止」という本が並んでいるように、空売りはいつだって投資家の興味を掻き立てるエキサイティングなテーマです。
今回は、そんな空売りの世界で最も有名な「爆弾魔」であり、「企業不正の探偵」でもある、カーソン・ブロック氏と彼の調査会社マディ・ウォーターズ・リサーチの手法を徹底解剖します。
彼らの成功から、個人投資家が下落相場を味方につける具体的なヒントと、絶対に忘れてはいけないリスク管理の教訓を学びましょう!
カーソン・ブロック氏が率いるマディ・ウォーターズは、企業の不正会計や詐欺を暴き、市場に大きな衝撃を与えてきました。彼の会社の名前「Muddy Waters(濁った水)」は、「水が濁れば魚が獲りやすい」という中国の諺から来ています。
つまり、「企業の不正で水が濁っているところにこそ、大きな利益(大物)が潜んでいる」という彼の戦略を示唆しています。
彼らがどうやって大儲けしているのか?
それは単なるギャンブルではありません。
ディ・ウォーターズの空売りは、以下の点で他の投資家と一線を画します。

彼を一躍有名にしたのは、2011年6月に公表したカナダ・トロント市場上場の木材事業会社、嘉漢林業国際 (Sino-Forest) の不正会計疑惑に関するレポートです。
同レポートは、シノ・フォレストが資産を水増ししていると指摘し、これを受けて株価は暴落。最終的に同社は経営破綻し、上場廃止に追い込まれました。
個人投資家が、こうした真似することはできませんが、徹底的な準備と論理があれば、空売りでも大きく、そして安定的に儲けられることを証明しています。
つまり、「自分に合っていて、しっかりとした戦略」があれば、空売りも強力な投資手法となるのです。
カーソン・ブロック氏は、マディ・ウォーターズを設立した2010年頃から、空売りをメインの戦略として15年近く市場の最前線で活動し続けています。
損失が無限大になりかねない空売りの世界で、これほど長く「退場」することなく生き残っているのは、卓越したリスク管理能力があるからです。
彼らのファンドは、空売りによる利益だけでなく、別のポジションで市場全体の上昇リスクを打ち消す「マーケット・ニュートラル(市場中立)」的な戦略も採用しており、一つの失敗がファンド全体を破綻させることを防いでいるのです。
彼らのプロの戦略から、私たち個人投資家が明日から使える教訓を、「攻め」と「守り」に分けて学びましょう。
リスク管理の一環として使う。あなたが大量に保有する銘柄を含むセクター全体が下落しそうなとき、そのセクターの逆連動型ETFやインデックスの先物を少量空売りすることで、ポートフォリオ全体の急激な損失を和らげることができます。
バブル崩壊を狙う。特定のテーマや小型株が理由もなく急騰しているとき、それが一時的な熱狂だと判断できれば、リスクを限定して空売りを試みるチャンスになり得ます。ただし、これは非常に上級者向けです。
空売りの最大のリスクは、株価がどこまでも上昇し続け、理論上は損失が無限大になることです。ブロック氏らのプロのやり方から、リスク管理で絶対に気を付けるべき点を学びましょう。
もう少し待てば下がるはず…」は空売りで最も危険な考えです。空売りの場合は特に、予想が外れた場合の撤退ライン(損切りライン)をあらかじめ設定し、それを機械的に実行する意志が必要です。
空売りは、通常の買いよりもリスクが高いです。全体のポートフォリオのごく一部(数%程度)に限定すべきです。一つの空売りポジションが、全資産を吹き飛ばすことがないよう、資金管理を徹底してください。
空売りは、包丁と同じで、料理(利益)を作ることもできれば、大怪我(大損)をすることもある「刃物」のような投資手法です。
カーソン・ブロック氏の成功は、「空売りは正しい知識と、プロ顔負けの努力があれば、非常に有効な投資手法になる」ことを示しています。そして、彼の15年以上のキャリアは、リスク管理こそがプロの空売り投資家の命綱であることを証明しています。
あなたも、空売りというエキサイティングな世界に興味を持ったなら、まずは「小さなポジション」と「厳格な損切りルール」という鉄壁の防具を身につけて、この探偵ゲームに参加してみてはいかがでしょうか?