ペトロベトナムガス(GAS:HOSE)

ペトロベトナムガス(GAS:HOSE)

配信履歴:2017/10/31, 2018/1/8

2018/1/8 配信情報

弊社のアナリストが、原油価格及び長期的な見通しを考慮に入れるために、ペトロベトナムガス(コード:GAS)を訪れた。 2018年にブレント原油価格を1バレル55米ドルから60 米ドルに引き上げるという基本的なケースで、ガス販売量が平準であるにもかかわらず来年中に12%の中核利益成長率を達成する可能性がある。2020年から新しいガス火力発電所が開始すると、乾燥ガスの生産量は2017年の水準から2022年には46.5%増加すると予測している。 2020年以降のガス生産量の大幅な増加は、同社の収益を大幅に向上させる。2018年度の純利益が6.9%増加すると予測し、目標PERを17倍から20倍に上方修正することによって、競争力と長期的な見通しを反映するために、GASの目標株価を97,000 VND/株(80,000 /株から) に上方修正。

 

新着情報:原油価格の積極的な動き

2017年7月の1バレル44ドルの低水準から、ブレント原油は43%増の63ドルとなった。 このような価格水準を支えるいくつかの支持的要因があった。 需要の伸びが加速すると予想される。 IEAは、2017年12月14日に2016年末の世界の需要成長予測をわずか1.1-1.2百万bpdから、世界経済状況の継続的な改善が期待されることを受け、1.5-1.6百万bpdに修正した。 一方、OPECの削減協定(2018年9月までかかる)により、供給状況が厳しくなるだろう。

 

したがって、GASの利益で、MFO価格の仮定を320米ドル/トンから2018年に 350米ドル/トンに上げる(+ 9.4%)。

 

影響

より高い原油価格の見通しの結果として、2018年の売上高および利益の伸び率はそれぞれ3.6%および6.9%と予想されている。 しかし、2014年から2016年の間にCuu Longパイプラインでの輸送手数料の引き上げにより、EVNからの受取債権による約1兆の特別利益を完全に計上しないため、2017年の収益見通しを6.5%に下方修正。

 

2018年にコア利益成長率が12%を達成すると予想している。2018年から2019年の間に利益の促進力は生産量ではなく平均販売価格(ASP)の増加である:
・乾燥ガス総量は10bcm(前年比-0.7%)、LPG量は1.3百万トン(前年と同じ)となる。 この予測は2018年に大きなガス田は存在しないことに基づいている。2012年~2016年の生産量のCAGRは、この間にベトナムに新たな大型ガス火力発電所がないため、ほぼ1.5%であった。Nhon Trach 3(2019)、Nhon Trach 4、Kien Giang 1と2を含め、多数の大型発電所が稼動する2019年から2020年までこの状況は変わらないと考えている、

 

・2018年の売上総利益率が拡大すると予測。MFO価格は平均350ドル/トン(前年比12.9%増)、乾燥ガスのASPは10.4%増加。 ティエン・ウン(Thien Ung)やダイフン(Dai Hung)などの高いコストを持つガス田での生産量増加が原因だ。

 

長期的には、GASの売上総利益率が拡大し、低開発コストの既存ガス田が徐々に空になると予測。 高い投資コストと低い生産量により、新たなガスパイプラインでの輸送手数料が増加し、GASの利益に直接的に影響すると予測。 弊社の見解では、2017年以降輸送手数料の引き上げは利益成長にとって重要な要因の1つである。 2018年には、新しいパイプラインが粗利益の17%を占めると見積もっている。

 

2020年から2021年にかけての利益の伸び率は、フォン・ランディー(Phong Lan Dai)、スー・トゥ・トラン(Su Tu Trang)、サンパン・ダー・グイエット(Sao Vang Dai Nguyet)、カ・ロング・ドゥ(Ca Rong Do)などの今後のガス田での生産量が大幅に増加することが原因で、30%以上となることを期待している。 具体的には、2022年までガス生産量が14.66bcmに達する(2017年比46.5%増)と予測。

 

推奨

EPSを修正し、目標PERを17倍から20倍に、EV / EBITDAを12倍から13倍に上方修正することによって、GASの目標株価を97,000 VND/株(80,000 /株から) に上方修正。それにもかかわらず、以下の強力な基本的かつ長期的な促進力のおかげで、GASは再評価される価値がある。

 

2017年10月31日(火) 配信情報

第3四半期の業績

2017年第3四半期の親会社の純売上高は13兆4280億VND(前年同期比12.3%増)、純利益は1兆8890億(+75.7%)となった。 純売上高の伸びは、燃料油(FO)価格が前年同期比25.9%上昇したことによるものであった。純利益の大幅な伸びは、FO価格の高騰とCuu Longパイプラインでの輸送手数料の引き上げが原因だ 。Thien UngとDai Hungのガス田からのガスを輸送して発電所に供給するためにNam Con Son 2パイプラインを使用している。

 

累計で親会社は2017年の第3四半期に42兆7670億VNDの純売上高(前年同期比12.8%増)、5兆9700億VNDの純利益(48.5%増)を計上した。 連結純利益は6兆730億VND(前年同期比46%増)となった。

 

ブロック6.1と11.2の生産量が徐々に減少するため、9ヶ月の乾燥ガスの販売量は前年同期比8.5%減の71.8億立方メートル(bcm)となった。 第3四半期の乾燥ガス量は、ガス火力発電所へのガス販売量の減少により、前年同期比19.6%減少した(NT2は主要メンテナンスのために工場の稼働を停止し、9ヶ月の生産量が25%減少した)。

 

第4 四半期にガス燃焼による電力の使用を優先させるとベトナム産業貿易省の指示から恩恵を受けて、乾燥ガスの量は上昇すると見込みだ。乾燥ガスの総販売量は、前年同期比2%減の10bcmに達すると予測している。

 

ガス量の減少にもかかわらず、純売上高は、FO価格の47.6%の回復と液化石油ガス(LPG)価格の40%の急上昇により、9ヶ月間で12.8%増加した。

 

Cuu Longパイプラインの輸送手数料は、新規のパイプラインへの投資により引き上げた。(Nam Con Son 2プロジェクトの第1フェーズには、2016年6月に完了し、投資総額402百万ドルで長さは151キロメートル以上)。この新規のパイプラインはThien UngとDai Hungガス田からBach Ho盆地にガスを送り、輸送手数料が生産量の低さ(2017年に約200mcm)により高く、5.62米ドル/ mmbtuと予測している。 これは2017年の堅調な利益成長の原動力の1つだと思われる。

 

新規のガス供給源・プロジェクトに関する最新情報

・ブロック6.1にあるフォン・ラン・ダイのガス田(Phong Lan Dai)は、2018年から2022年の間に5.8bcmのガスを生産、Lan Tay、Lan Doおよびブロック11.2のガス田での生産量の減少を補う。低コストで、Nam Con Son 1パイプラインによって輸送される。

 

・2020年に開始するSao Vang- Dai Nguyetガス田は、15年間にわたって総量が17 bcmであり、投資総額が145百万米ドルと推定されている。

 

・Red Emperorパイプラインでは、投資総額190百万米ドで一年当たり1.4 bcmを生産し、Lan Tayガス田に接続され、Nam Con Son 1パイプラインを経由してで輸送され、ベトナム南東部の利用者に供給される。 ブロック07/03に位置し、このガス田は高コストと推定されている。

 

・ブロックBからのガスは、2022年に供給される。20年にわたって乾燥ガス量が一年当たり5 bcmと予測している。

 

2017年には、親会社の純売上高は57兆6000億VND(前年比11%増)、純利益は8兆6400億VND(前年比21.5%増)に達する見込み。Cuu Long盆地での輸送手数料の引き上げを反映するため、利益の予想が6%上方修正された。

 

燃料油(FO)価格が 320米ドル/トン、乾燥ガスの生産量が9,840mcm(2.4%減)と仮定すると、2018年の純売上高は60兆4350億VND(前年比5%増)、純利益は9兆6680億VND(前年比11.9%増) 6.7%)となると見込んでいる。

 

投資判断

現在の価格で、2017年と2018年の予測PEはそれぞれ15.6倍、14.1倍であり、魅力的と考えられている。目標PE17倍(現在の株価に比べて18%増)を基準としてGASの1年間の目標価格は 80,000 /株(69,800 VND/株から)と予測している。 2017年6月29日以来、株価は24%上昇した。現在の株価で買い推奨。

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